水面下に隠れたインサイト

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水面下に隠れたインサイト

  • INSIGHT Research
  • 2018.06.04

「意識とは氷山の一角」という言葉は、フロイト・ユング心理学でよく使われてきました。人が意識して行動しているのは実はほんの少しであり、他は反射的に行われているそうで、言い方を変えれば、ほとんど人は(活動の実に95%とする研究者も)無意識に行動しているということの例えです。水上に出ている氷山の一角を意識、水の下に隠れている大きな氷塊を無意識とする比喩なのですが、これは概念的な話にとどまらず脳科学の分野でも研究対象になっています。

非言語的な(ノンバーバル)手法

このことを「アンケート(質問紙調査・面接調査)に対する回答」という切り口で考えてみます。
人は質問に答えるときに、感じたままに答えられるとは限りません。個人的な解釈能力や語彙力が原因である場合もあれば、社会的文化的な背景が原因である場合もあります。例えば私たち日本人は極端な答えを出さないと言われていますし、いわゆる忖度をして思いとは違う答えを出すこともありえます。
従来の調査設計でも、この振れ幅を考慮してありますが、もし言語を使ったやりとりではなく「感じた、その瞬間」を捉えることができれば、バイアスがかかりにくい有用なインサイトに迫れるのではないでしょうか。

生体反応を評価に活用する


コマーシャル映像(CM)が実際に放映される前に行われるテストをON AIR TESTと言いますが、これは放映するCMを視聴する前後のアンケート結果の変化を指標にして評価する調査手法です。
このテストをアップデートする形で開発したVR ON AIR TESTは、精神集中できるVR空間に座ってCMを視聴しながら、30fps/視野角1度以下の精度で「瞬間的にどこを見たか?」の記録、および脳波の反応から解釈できる最短1秒ごとの「集中度・興味度」などの感情に関する記録を、映像のタイミングと合わせて取得します。まさに人の直感的な反応を解析するためのツールであり、自動集計はクラウドで行うため高速処理も実現しています。

ニューロマーケティング

こういったアプローチはアイトラック分析、ニューロマーケティングとも呼ばれ、今までも様々な形でリサーチに組み込む試みがされてきました。しかしながら行いづらい、集計に時間がかかる、解釈しづらいといった課題がなかなか解決できていません。私たちは目的に合わせて体系的にツール設計することで、その壁を乗り越えようとしています。

もちろんCM以外の映像、例えばテレビ番組やオンライン動画を評価することもできますし、仕組みだけを転用してグラフィックデザインや製品デザイン、空間デザインの評価に活用することもできます。

非言語で評価を行う、そんな時代が始まっています。

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